竜の姿をみた少女

[童話]竜の姿をみた少女


   竜の姿をみた少女 13


「かなちゃん。この村には、長い杖をついたおじいさん
なんて、一人もいないよ。どこのひとかな」
みんなそういいます。
「じゃあ、私だけ、あのおじいさんをみているのかしら」
かなは、ふしぎに思いました。


八月末のある日。
むし暑い日でした。
かなは、湖のほとりで、またおじいさんに会いました。
「暑いのぅ」
そういいながら、おじいさんはかなの横に腰をおろしま
した。
「ぴゅー、ぴゅぅー」
湖の方から、涼しい風が吹いてきました。


       つづく





童話「竜の姿をみた少女」は、みほようこの五冊目の
童話集「竜の姿をみた少女」に収録されています。

https://mihoyouko.web.fc2.com/douwasyuu5.html




童話集「竜の姿をみた少女」の価格は、現在 1540円です。

竜の姿をみた少女

[童話]竜の姿をみた少女


   竜の姿をみた少女 12


「じゃあ、おじいさんは、しらかば湖に竜がいると思
う?」
「さあ・・・どう・・・じゃろな」
おじいさんは、なぜかこまったような顔をし、口ごも
りました。
 

その後。
かなは、湖のほとりで、何度かおじいさんに会いま
した。
「知らないおじいさんだけれど、どこのひとかしら。
別荘のかたかな」
かなは、そのひとのことを、みんなに聞いてみました。
「私、白い着物をきたおじいさんなんて、一度もみた
ことがないわ」
「ぼくも、みたことがない」
「私も」


       つづく





童話「竜の姿をみた少女」は、みほようこの五冊目の
童話集「竜の姿をみた少女」に収録されています。

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