女神さまとの約束


   女神さまとの約束33


「おじいさん、おじいさん。
だいじょうぶですか」
何度も声をかけましたが、おじい
さんは返事をしません。



「だいじょうぶですよ。
女神さまが守ってくれていますから。
おとうさんと同じように、湯でひ
たした黄金色の花びらで、おじい
さんの体をやさしくさすってあげ
てください。



ふくさんのおじいさんだと思って、
世話をしてあげてくださいね。
何日かすれば、おじいさんはおき
あがることができるでしょう。
じゃあ、私はこれで帰ります」



「白駒。もう帰ってしまうの? 
今夜はここにいて。お願い」
ふくは、手をあわせ、白駒にお願
いしました。
今にも死んでしまいそうな人と、
二人っきりですごすのかと思うと、
ふくは不安でした。


          つづく



     昨日の分は、こちら


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20091024#p1



     初めて読んでくださったかたへ


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20090923#p1



「女神さまとの約束」は、信州の
佐久にある湖・白駒の池に伝わっ
ている話をヒントにして、みほ
ようこが書いた物語。