瑠璃寺の青獅子


   瑠璃寺の青獅子7


男は、滝にかかる虹をみた時、「な
んて美しい虹だろう」と思いました。
虹をみていると、汚れてしまった自
分の心が、きれいに洗われるような
気がしました。



粗末な小屋ができると、男は獅子頭
を彫るための木を探して歩きました。
生きているようにみえる獅子の頭を
彫るためには、どんな木でもいいと
いうわけにはいきません。



軽くて、丈夫で、しかも獅子が宿っ
ている木でなくてはなりません。
男は、あちこちの木地屋へ行き、桐
イチョウ・栃・楠などの木をみせ
てもらいました。
でも、気にいった木はみつかりません。


           つづく



   昨日の分は、こちら


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20091111#p1



  初めて読んでくださったかたへ


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20091106#p1



童話「瑠璃寺の青獅子」は、
信州高森町にある瑠璃寺に伝わっ
ている「青獅子」の話をヒントに
して、みほようこが書いたもの。


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