鹿になった観音さま


   鹿になった観音さま2


柿の実が橙色に色づいた秋のある日。
「うー、うー」
「わん、わん、わん」
本堂の前で、犬がないています。



「タケル、どうした」
「チハヤ、どうしたのじゃ」
和尚が、二匹の犬に声をかけました。
犬たちは、和尚の声が耳にはいらな
いらしく、大きな声でないています。



「境内に、なにかいるのだろうか」
和尚は、外へでて、あたりをみまわ
しました。
でも、なにもいません。
すると・・・。
二匹の犬は、大声でなきながら、裏
山へかけていきました。


           つづく



     昨日の分は、こちら。


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100207#p1


「鹿になった観音さま」は、信州の伊
那谷にある「立石寺」に伝わっている
話をヒントにして、みほようこが書い
たもの。