火とぼし山5
「きよちゃん。いい仕事がみつかっ
たんだ」
「どんな仕事なの」
「大きな農家で、働くことになった」
「次郎さん。いつ引越しをするの」
「三日後」
「三日後?」
「そう、三日後。仕事が忙しいか
ら、早くきてほしいというんだ」
「急な話ね。なぜもっと早くいっ
てくれなかったの」
「ごめん。昨夜、決まったんだ」
「次郎さん。どこへ引っ越すの」
「諏訪湖の西にある村。
さっき、白鷺が飛んでいった方向
にある村だよ」
西山をゆびさし、次郎がいいました。
つづく
昨日の分は、こちら。
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100312#p1
初めて読んでくださったかたへ
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100309#p1
信州の諏訪湖には、「火とぼし山」
という悲しい伝説があります。
「火とぼし山」は、その伝説をヒント
にして、みほようこが書いた物語。