火とぼし山


    火とぼし山8


「夜になれば、真っ暗だわ。
だから、見えると思う。
ねぇ、次郎さん。いつ会うの」
「十日後に、会おう」



「次郎さん。場所がわかるように、
うんと大きな火をたいてね」
「うん、わかった」
きよと次郎は、かたく約束しました。



二人は、おさななじみ。
小さな時から、仲良しでした。
「きよちゃんと次郎ちゃんは、ほん
とに仲がいいね。兄と妹みたい」と
いわれて、大きくなりました。


          つづく



    昨日の分は、こちら。



http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100315#p1



    初めて読んでくださったかたへ


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100309#p1



信州の諏訪湖には、「火とぼし山」
という悲しい伝説があります。
「火とぼし山」は、その伝説をヒント
にして、みほようこが書いた物語。