火とぼし山25
「明神さま。その娘は、どこに住
んでいるのですか」
「どこに住んでいるか、わしも知
らん。今夜会ったばかりだから。
でも、湖の東側に住んでいること
だけはたしかじゃ。名前は、きよ
というらしい」
「じゃあ、早速調べてみましょう」
「手長、足長。娘のこと、たのん
だぞ」
明神さまは、手長と足長に、娘の
ことをお願いしました。
一方、きよと次郎は、いつものよ
うに一晩中語りあかしました。
次の朝。
きよは、さみしそうに家にもどっ
ていきました。
つづく
昨日の分は、こちら。
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100401#p1
初めて読んでくださったかたへ
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100309#p1
信州の諏訪湖には、「火とぼし山」
という悲しい伝説があります。
「火とぼし山」は、その伝説をヒント
にして、みほようこが書いた物語。