火とぼし山73
「手長、足長。ご苦労さま。
きよを助けてくれてありがとう」
明神さまは、二人に何度も礼をい
いました。
「さあ、そこへきよをねかせてお
くれ」
「はい」
手長と足長は、ふとんの上にきよ
をねかせました。
「きよ」
「きよ」
「なぜ、うずにはまったのじゃ」
明神さまは、心の中できよに話し
かけました。
すると、
「次郎さんが・・・」
「次郎がどうした」
「次郎さんがたいてくれた火が」
つづく
昨日の分は、こちら。
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100521#p1
初めて読んでくださったかたへ
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100309#p1
信州の諏訪湖には、「火とぼし山」
という悲しい伝説があります。
「火とぼし山」は、その伝説をヒント
にして、みほようこが書いた物語。