風の神様からのおくりもの


風の神様からのおくりもの6


「いいんじゃよ。あの子が幸せになってくれれば…。
わしはそれでうれしいのじゃ。それよりあの子が苦
しみに負けず、自分の使命をまっとうしてくれると
いいがのー」



風の神様が縁側においてきたまゆ玉は、どうも普通
のまゆ玉ではないようです。
風の神様は守屋山でかいこをかっていました。かい
こからは毎年沢山のまゆ玉がとれました。
真っ白いまゆ玉です。



風の神様が住んでおられる守屋山には、こんないい
つたえがありました。
守屋山では四百年に一度、それもたったひとつだけ、
黄金色に輝く小さなまゆ玉がとれるといわれています。
この地方に住んでいる人々の優しい気持が、黄金色の
まゆ玉になるのだそうです。
 

つづく


「風の神様からのおくりもの」は、みほよう
この初めての童話集・「風の神様からのおく
りもの」に収録されています。



http://www.bk1.co.jp/product/2056682



心を病む兄のために、明神様にお参りする心
優しい少女の話など4編。
信州諏訪を舞台に、美しい挿絵を添えて描か
れる心温まる創作童話。



風の神様からのおくりもの―諏訪の童話

風の神様からのおくりもの―諏訪の童話