竜の姿をみた少女14
「私、湖のほとりで、誰かが話しているの
を聞いてしまったの。もうすぐ三郎さまが
しらかば湖にみえるよって、話していたわ。
三郎さまって、竜になった三郎のことでは
ないかと思うの。だから」
「かなは、いつその話を聞いたの」
「いぬのふぐりの花が、咲き始めたころかな」
「そうか。かなは、しらかばたちが話をして
いるのを、聞いてしまったのか。
わしも、しらかばたちとよく話をする。しら
かばがね、この村には、湖が大好きな少女が
いるんだよって、かなのことを話してくれた
よ」
「おじいさん。とうちゃんもね、しらかば湖
には竜がいるかもしれないよって、いってい
ます」
「そうか。かなとおとうさんは、今でも湖に
竜がいると信じているのか」
おじいさんは、にっこり笑いながらいいまし
た。
つづく
童話「竜の姿をみた少女」は、童話「竜神
になった三郎」の続編。
童話「竜神になった三郎」は、みほようこ
の二冊目の童話集「竜神になった三郎」に
収録されています。
童話「竜神になった三郎」
http://www.geocities.jp/dowakan/saburou1.html
童話集「竜神になった三郎」の紹介
http://www.geocities.jp/dowakan/douwasyuu2.html
http://www.bk1.co.jp/product/2434727
- 作者: みほようこ,長野ひろかず
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