竜神になった三郎


 その童話 知っていますか 許しなり


 ― わが家のBlogPet「ryuu」の句 −




その童話とは、「竜神になった三郎」。

   
どのくらいの時間がすぎたのでしょうか。
「気分はどうじゃ。気がついたかな」
その声で、三郎ははっと目がさめました。
三郎は、広い部屋の中で寝ていました。
そばには、長いひげのおじいさんが立って
いました。



「わしは地の国の神じゃ。本当にひどい目
にあったのぅ。
しかし、おまえはあんなひどい目にあっても、
兄たちを少しもにくんでおらぬ。
なぜじゃ。
なぜお前は、兄たちをにくまないのじゃ」
神様は、三郎にたずねました。



「私は幼い時から、太郎兄さんにも次郎兄さ
んにも、かわいがってもらいました。
兄たちがなぜあんなひどいことをしたのか、
私にはわかりません。
兄たちにつきおとされた時は、本当にびっく
りしました。しかし、私は兄たちをにくむ気
にはどうしてもなれません」
三郎はそう答えました。 


   − 「竜神になった三郎」より −




童話「竜神になった三郎」は、みほようこ
二冊目の童話集・「竜神になった三郎」に収
録されています。