かきつばたになった少女19
かきつばたがいなくなったことを知ったおば
さまは、かきつばたのことを心配しました。
「私が山彦のことを話さなければ、かきつば
たは霧が峰へ行くこともなかっただろうに・・・」
おばさまは、山彦のことをかきつばたに話し
たことを、心から後悔しました。
かきつばたがいなくなって一ヶ月後。
おばさまは、かきつばたの後を追うようにな
くなってしまいました。
宝物のようにかわいがってきたかきつばたが
いなくなって、おばさまは生きるはりあいを
なくしてしまったのでしょうね。
かきつばたのおとうさんとおかあさんも、大
切な娘とかわいい妹をなくし、がっくりして
いました。
二人は、毎日霧が峰へ行き、かきつばたをさ
がして歩きました。
「かきつばた、かきつばたー。どこにいるのー」
とさけびながら。
かわいい娘をさがす二人の声が、草原に悲し
くひびきわたりました。
つづく
この少女 消えていました 本当に
― わが家のBlogPet「ryuu」の句 −
「かきつばたになった少女」は、みほようこ
の四冊目の童話集・「ライオンめざめる」に
収録されています。
童話集「ライオンめざめる」は、昨年十月、
「鳥影社」から発行されました。
童話集「ライオンめざめる」
http://www.geocities.jp/dowakan/douwasyuu4.html
http://www.bk1.co.jp/product/2719469
http://7andy.yahoo.co.jp/books/detail?accd=31785511