笛の音よ、永久にひびけ


笛の音よ、永久にひびけ12


「丘の上のかえでの木が、笛になるなんて
うれしいね」
それを聞いた村の人々は、喜びました。
「一日も早く、すてきな音色のする笛がで
きるといいね」
「かえでの笛って、どんな音色がするのだ
ろう」
こどもたちも、笛ができあがるのを楽しみ
にしています。



村の人たちも、若者に協力して、笛を作る
ことになりました。
若者と村の人たちは、何ヶ月もかけて、笛
を作りました。
しかし、何本笛を作っても、なぜかもの悲
しいさみしい音しかでませんでした。



「かえでの木では、良い音がでないのだろ
うか。いや、そんなはずはない。
心ならずも切りたおされたかえでのために
も、すばらしい音色のする笛を作りたい」
若者は、心に強く思いました。


            つづく



童話「笛の音よ、永久にひびけ」は、スキー
大会の会場をつくるためにきりたおされた、
信州志賀高原の樹令200年の楓のお話。



童話「笛の音よ、永久にひびけ」は、
みほようこの四冊目の童話集「ライオン
めざめる」に収録されています。









おとうさんからもらった誕生日のプレゼン
ト、ライオンのロケット。
そのロケットには、何千年も前の謎が秘め
られていた。
表題作ほか、霧ケ峰高原を訪れたときに、
風の神様から聞いた3つのお話を収録。




http://www.bk1.jp/product/02719469