ライオンめざめる


  ライオンめざめる1


霧ヶ峰霧高原のふもとに、一軒の山小屋が
ありました。
その山小屋には、心のやさしい少女が、お
とうさんとおかあさんとくらしています。



いや、もう一匹、少女がかわいがっている
柴犬「りゅう」も一緒でした。
少女の名前は、かな。
むじゃきで明るい少女です。



霧が峰高原では、春から秋にかけて、いろ
いろな花が咲きます。
春は、ざぜん草やすみれ。
初夏には、れんげつつじ。
真夏には、日光きすげややなぎらん。
そして秋は、松虫草やすすきなど。
かなは、松虫草の花が大好きでした。



五月十日。
かなは、七才になりました。
「かな、誕生日おめでとう。誕生日のプレ
ゼントだよ」
そういって、おとうさんは、かなの首にロ
ケットをかけてくれました。


          つづく



童話「ライオンめざめる」は、みほようこ
の四冊目の童話集「ライオンめざめる」に
収録されています。



童話集「ライオンめざめる」は、昨年十月、
「鳥影社」から発行されました。







おとうさんからもらった誕生日のプレゼント、
ライオンのロケット。
そのロケットには、何千年も前の謎が秘めら
れていた。
表題作ほか、霧ケ峰高原を訪れたときに、
信州諏訪の「風の神様」から聞いた3つのお
話を収録。




http://www.bk1.jp/product/02719469
 

http://7andy.yahoo.co.jp/books/detail?accd=31785511