ライオンめざめる


  ライオンめざめる4


でも・・・、耳をすませて聞いていると、
うなり声はロケットの中から聞こえてきます。



しばらくすると、
「い・・た・・いよぉ。・・・いたいよ・・・」
こんな声も聞こえてきました。



「どこがいたいの?」
かなは、ライオンに聞きました。
でも、ライオンはなにも答えません。
困ったかなは、ロケットをやさしくなでて
あげました。



その後。
夜になると、ときどきライオンのうなり声
が聞こえてきました。
かなは、そのたびに、ロケットをやさしく
なでてあげます。



「とうちゃん、とうちゃんが誕生日にくれ
たライオンのロケットね、夜になると、う
ーんうーんってうなるの。
うなるだけではなく、いたいよぉっていう
の。とうちゃん、どうしたらいい?」
ある夜、かなはおとうさんに聞きました。


              つづく




童話「ライオンめざめる」は、みほようこ
の四冊目の童話集「ライオンめざめる」に
収録されています。



童話集「ライオンめざめる」は、昨年十月、
「鳥影社」から発行されました。







おとうさんからもらった誕生日のプレゼント、
ライオンのロケット。
そのロケットには、何千年も前の謎が秘めら
れていた。
表題作ほか、霧ケ峰高原を訪れたときに、
信州諏訪の「風の神様」から聞いた3つのお
話を収録。




http://www.bk1.jp/product/02719469
 

http://7andy.yahoo.co.jp/books/detail?accd=31785511