ライオンめざめる


  ライオンめざめる11


おまえは、何千年ものあいだ、だれも聞く
ことができなかったライオンの声を、よく
聞くことができたねぇ」
神さまは、感心したようにいいました。



「かな、さっき松虫草のまわりを舞ってい
たちょうは、なんというちょうか知ってい
るか」
「知りません。神さま、なんというちょう
ですか?」



「くじゃくちょうというのじゃ。この高原
にきても、めったにくじゃくちょうには会
えんぞ。心のやさしい少女がこの高原にく
ると、くじゃくちょうはどこからかでてく
るのじゃ。



でも、ほんとうにやさしい人しか、くじゃ
くちょうの姿はみえないのじゃ。
わしもそこでくじゃくちょうの舞をみてい
たが、うっとりするような美しい舞じゃっ
たのぅ」
神さまは、くじゃくちょうのことを、いろ
いろ教えてくれました。


                つづく




童話「ライオンめざめる」は、みほようこ
の四冊目の童話集「ライオンめざめる」に
収録されています。



童話集「ライオンめざめる」は、昨年十月、
「鳥影社」から発行されました。






おとうさんからもらった誕生日のプレゼント、
ライオンのロケット。
そのロケットには、何千年も前の謎が秘めら
れていた。


信州の霧ケ峰高原を訪れた時に、「風の神様」
から聞いたお話。




http://www.bk1.jp/product/02719469
 

http://7andy.yahoo.co.jp/books/detail?accd=31785511