福寿草になった少女


福寿草になった少女14


次の朝。
守屋山のふもとの反対側で、雪で真っ白にな
った福がみつかりました。
寒さのため、福はこごえ死んでしまったので
す。
「福や、福や。目をさましておくれ」
「福、なぜ守屋山へなど行ったの?」
大切なこどもをなくした夫婦は、気もくるわ
んばかりに、なげき悲しみました。



「明神さま、お許し下さい。せっかく授けて
いただいたのに、私の不注意から、福を死な
せてしまいました。
私が黄金色の花のことを話さなければ、福は
守屋山へ行くこともなかったでしょう。
私が福をころしたようなものです」
長者は、明神さまに、心からわびました。


            つづく



童話「福寿草になった少女」は、信州の諏
訪湖の近くにある山・守屋山の明神様にま
つわる福寿草と少女の話。



信州諏訪の「風の神様」から聞いたお話。
「風の神様からのおくりもの」シリーズ2



童話「福寿草になった少女」は、みほようこ
の二冊目の童話集「竜神になった三郎」に収
録されています。









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