火とぼし山


    火とぼし山34


「やっぱり、次郎さんはその人と会っ
たのね。次郎さんは人がいいから、こ
とわりきれないだろうなと思ったわ。
で、どんな人だったの」
「とても楽しい人だった。会っている
間、二人とも笑いっぱなしだったよ。



その人ね、大きな農家の一人娘なんだ
って。
おらに、養子にきてくれというんだ」
次郎は、見合いをした娘のことを話し
てくれました。



きよは、「とても楽しい人」「大きな
農家の一人娘」「養子」ということば
が、気になりました。
貧乏なわが家と違い、その人の家は裕
福なんだろうなと思いました。


              つづく



「おみわたり」で有名な信州の諏訪湖
には、「火とぼし山」という悲しい伝
説があります。


「火とぼし山」は、その伝説をヒント
にして、みほようこが書いた物語。