火とぼし山


    火とぼし山55


私は、今でも次郎さんが大好き。
でも、次郎さんの心の中には、私以外
の人が住んでいる。



その人は、大きな農家の一人娘。
その人のむこになれば、一生気楽に暮
らしていけるものね。
だから、次郎さんは私がじゃまなので
はないだろうか。



きよは、次郎とすごした日々を思い出
しながら、とぼとぼと家に帰りました。
「私たちは、これからどうなるのだろう。
いつか次郎さんと別れる日がくるのだ
ろうか」
きよは、不安な気持で毎日をすごしま
した。


            つづく



長い間、信州の諏訪湖に伝わっている
「火とぼし山」を読んでいただきあり
がとうございました。



まだまだ続きます。
いずれ一冊の本にしたいと思います。
つづきは、本ができた時に、公立図書館
などで読んでいただきたいと思います。