鹿になった観音さま8
「タケルとチハヤが、石になって
いる。なぜだ」
黄金色の大きな鹿。
黄金のように、ぴかっぴかっと
光っている小さな観音さま。
石になってしまったタケルとチ
ハヤ。
三郎には、なにがなんだかわかりま
せんでした。
夢をみているような感じでした。
「とにかく、和尚さまに知らせなく
ては」
三郎は、観音さまをもって、急いで
寺へ帰りました。
「和尚さま。た、大変です」
「どうしたのじゃ。三郎さ」
「裏山に、こんなものが落ちていま
した」
三郎は、観音さまを和尚にわたしま
した。
つづく