赤い夕顔の花


   赤い夕顔の花38


「奥がたさま、さあどうぞ。何も
ありませんが、中でゆっくり休ん
でください」
「では、遠慮なく休ませていただ
きます」
お万と長五郎は、そうべえの家で、
二時間ほど休ませてもらいました。



そうべえは、一人で暮らしていま
した。
あわめしと温かなみそ汁をごちそ
うになり、お万と長五郎は少し元
気になりました。



「そうべえさん。それでは、浪合
まで道案内をお願いします」
お万が、そうべえにお願いしました。


             つづく



「赤い夕顔の花」は、信州の南端
にあった「権現城」に伝わってい
る話をヒントにして、みほようこ
書いた物語。