赤い夕顔の花40
「そうべえさん。ありがとうござ
います。助かります」
「奥がたさま、心配なさるな。
わしが、浪合まで責任を持って送
り届けますから」
そうべえがいいました。
お万たちは、浪合へ向かって、山
道を歩いて行きました。
やっと向方へつきました。
農家の庭先に、白い花が咲いてい
ます。
「何の花かしら」
近づいてみると、真っ白な夕顔の
花でした。
「お母さま。きれいな花」
「長五郎。これは、夕顔の花です
よ。美しい花ね」
お万がいいました。
つづく
「赤い夕顔の花」は、信州の南端
にあった「権現城」に伝わってい
る話をヒントにして、みほようこが
書いた物語。