瑠璃寺の青獅子


    瑠璃寺の青獅子6


「その祭につかう獅子頭を、そな
たに作ってもらいたいのじゃ」
獅子頭ですか」
男は、なぜか迷っています。
「そう、生きているようにみえる
獅子の頭。獅子頭をみたこどもが、
驚いてわぁーと泣きだすような、
そんな獅子の頭を作ってほしい」



「生きているようにみえる獅子の
頭ですか。和尚さま、難しい注文
ですな」
「無理かのぅ」
「そんな獅子頭が、彫れるかどう
かわかりませんが、やってみまし
ょう」



「すばらしい獅子頭ができるのを、
楽しみにしていますよ。
来年の春の祭に間にあうようにお
願いします」
そういって、和尚は、男に獅子頭
を依頼しました。


         つづく



「瑠璃寺の青獅子」は、信州高森
町の瑠璃寺に伝わっている話をヒ
ントにして、みほようこが書いた
物語。



童話「瑠璃寺の青獅子」、無断転載・
再配布を禁止します。