瑠璃寺の青獅子26
でも、おまえが気づいてくれた。
どんなにうれしかったか。仏師よ、
おまえはすばらしい仏師じゃ。
わしは、おまえの志をついで、伊
那谷の人々をしっかり守っていこ
うと思う。
仏師よ、ほんとうにありがとう。
心やすらかに眠っておくれ。今度
は、わしがおまえを守る番じゃ」
すると、滝つぼの水面に、男が彫
った獅子頭がぽんと浮いてきました。
和尚は、男の形見の獅子頭を持っ
て、寺へ帰りました。
そして、本堂へ獅子頭を供えました。
つづく
「瑠璃寺の青獅子」は、信州高森町
の瑠璃寺に伝わっている話をヒント
にして、みほようこが書いた物語。
童話「瑠璃寺の青獅子」、無断転載・
再配布を禁止します。