白駒の池物語1
第一章 白駒は、誰の馬?
八ヶ岳のふもと、佐久の里にも、さ
わやかな秋がやってきました。
ふもとの森では、木々の紅葉が始ま
りました。
「きよ、ただいま」
きのことりに行った長者が、森から
帰ってきました。
「とうちゃん、おかえりなさい。
きのこ、たくさんとれた?」
一人娘のきよが、長者に聞きました。
「ああ、たくさんとれたよ。きよ、
いいものがあるから、庭へおいで」
「いいものって、何だろう」
きよは、わくわくしながら、庭へ行
きました。
つづく
「白駒の池物語」は、信州佐久にあ
る「白駒の池」に伝わっている話を
ヒントにして、みほようこが書いた
物語。