平成の歌1


武田軍の狼煙をあげし跡地とぞ

   わが住む丘を遠く見放くる



庭隅に娘の植ゑゆきしスズランの

   赤き実濡らして時雨過ぎ行く



戸締りを忘れし二階の部屋内に

   十三夜月明るく照らす



まとまらぬ歌を心に歩みゆく

   夕べ枯葉の音たてて舞ふ