平成の歌8


新しきケースに移すコケシの顔

   旅にまつはる思ひわきくる



里芋の揺るる広葉に影落し

   番のトンボ群れて飛び交ふ



こほろぎ一つはしる厨に幾度も

   水替へて煮る栗の渋皮煮



夏疲れの特効薬と亡き母が

   作りくれにき大根葉の胡麻和へ