平成の歌17


在りし日に夫の植ゑたる八つ手の広葉

   染めて金木犀散り終りたり



十一月季節外れの台風に

   散り残る満天皇も裸木となる



土竜おどしの音立て響く畑隅に

   酒に醸さむよもぎ摘みをり



中空に七分に欠けし月食

   汝住む国からは如何に見ゆるらむ