黄金色のまゆ玉6
二月初めのある夜。
青年たちは、今夜も明神さまの後
をつけていました。
湖の真ん中あたりまできた時、
「ばりばりっ、みしっ」という大
きな音がして、氷がわれはじめま
した。
「わぁー!」
「気をつけないと、湖へ落ちるぞ」
青年たちは、おもわず後ずさりし
ました。
そうしている間に、その夜も明神
さまをみうしなってしまいました。
「今夜こそ、行く先をつきとめら
れると思ったのに、残念だったな」
「それにしても、あぶないところだ
った。
こんな寒い夜湖に落ちたら、しんぞ
うまひで死んでしまうぞ」
青年たちは、とぼとぼと家に帰りま
した。
つづく
昨日の分は、こちら。
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20090107#p1
信州の諏訪湖には、「おみわたり」
の伝説があります。
「黄金色のまゆ玉」は、おみわたり
の伝説をヒントにして、みほようこ
が書いた物語。