平成の歌23


梅雨明けの窓開け放ちしこの夕べ

   素足に畳の感触清し



顔も見ず逝きたる夫の墓前に

   帰国せし孫娘ふかぶかとぬかづく



かへるなき過去を漸く諦めのつけば

   下り来て庭に水まく



夫逝きし日のごと残暑厳しくて

   韮の白花夕日に匂ふ