平成の歌34


足止めて珍しみ見る石切場

   機械の上に小さき虹たつ



毛利さんのスペークシャトルからの宇宙授業

   始まるを待つ心たかぶりて



雨に濡るる野菊の花にまた寄りて

   足りし心に去る左千夫記念館



在りし日に夫の植ゑたるベニマンサクの

   花を濡らして時雨過ぎゆく