女神さまとの約束1
http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20070525#p1
童話「女神さまとの約束」は、
信州佐久にある「白駒の池」に伝
わっている話をヒントにして、
みほようこが書いた物語。
「女神さまとの約束」より
ちらちら降っていた雪も、いつの
まにかぼたん雪にかわりました。
雪は、どんどん積もっていきます。
庭も畑も山も、雪で真っ白になり
ました。
そして、夕方には吹雪になりました。
その夜のことです。
「とんとん、とんとん」
だれか玄関の戸をたたいています。
「こんなにおそく、だれだろう?
しかも、こんな大雪の夜に」
長者とふくは、おもわず顔をみあ
わせました。
「どなたかな?」
長者が、やさしく声をかけました。
「旅の者です。今晩一晩泊めてい
ただけないでしょうか」
戸をあけると、女の人が立ってい
ました。
女の人は、雪でびっしょりぬれ、
寒さのためぶるぶるふるえています。
「寒かったでしょ。さあ、早く中へ
入りなさい」
「ありがとうございます。ほんとう
に助かります」
女の人は、ほっとした顔でいいました。