かきつばたになった少女


   かきつばたになった少女1


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20070621#p1



「かきつばたになった少女」は、
みほようこの四冊目の童話集・
「ライオンめざめる」に収録さ
れています。


 
童話集「ライオンめざめる」は、
2006年10月、「鳥影社」
から発行されました。



「かきつばたになった少女」より


どのくらいの時間が過ぎたのでし
ょうか。
かきつばたには、長い時間が過ぎ
たように感じました。



霧がさっと晴れ、目の前に、真っ
青な空があらわれました。
そして、広い草原のむこうから、
こちらにむかって、少年が走って
くるのがみえました。



少年の姿は、草原を走っている小
鹿のように見えました。
少年の姿をみた時、かきつばたは
ほっとしました。
「こんにちは。すごい霧だったね」
少年が、にこにこしながら近づい
てきました。



「こんにちは。すごい霧でびっくり
したわ。
もう家に帰れないのではないかと思
ったわ」
かきつばたは、ほっとした顔でいい
ました。



「みかけない顔だけれど、きみ、ど
こからきたの?」
「あの山の向こうからよ」







  「ライオンめざめる」裏表紙