風の神様からのおくりもの1
五月十日。
からりと晴れたさわやかな日でした。
「ぴゅー、ぴゅーー」
気持の良い風が、諏訪盆地を通りす
ぎていきます。
風の神様はいつものように諏訪湖の
まわりをひとまわりして、たった今
社に帰ってきたところです。
「今日も一日無事に終わりそうじゃな。
さてわしもひとやすみするか」
神様は境内の切り株に腰をおろしま
した。
「たっ、たった。たっ、たった」
誰かが足早に歩く音が聞こえてきま
した。
つづく
「風の神様からのおくりもの」は、
みほようこの初めての童話集・
「風の神様からのおくりもの」に
収録されています。
心を病む兄のために、明神様にお参
りする心優しい少女の話など4編。
信州諏訪の「風の神様」から聞いた
お話。
挿絵は長野博一先生。
心温まる創作童話。
- 作者: みほようこ,長野ひろかず
- 出版社/メーカー: 鳥影社
- 発売日: 2001/08
- メディア: 単行本
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