平成の歌45


憂きことの薄らぐ思ひに微笑みある

   夫の写絵に今日も向かへり



青桐の実の触れ合ひて音立つる

   木下に息を整へて立つ



九月中は水を控へしシャコサボテン

   葉の先毎に莟もち来ぬ



神の湯に向ふわがバス諸木々の

   紅葉に触れつつ山道登る