かきつばたになった少女5
「かきつばた、きすげの花はね、私
が少女だったころ、大好きな人から、
初めてもらった花なの。
その人は、ふもとの村に住んでいる
人間の少年だった。
私は、その少年と何度も霧ケ峰へ行っ
たわ。とても楽しかった。
なくなる前に、もう一度きすげの花
がみたいわ」
おばさまは、遠い昔をなつかしむよ
うに、そういいました。
おばさまの話を聞いたかきつばたは、
なんとかしておばさまの最後の願い
をかなえてあげたいと思いました。
しかし、女神さまたちは、一人で遠
くへでかけることを、神様からかた
く禁じられていました。
そのため、かきつばたは、誰にも行
き先をつげず、たった一人で霧ケ峰
へ行こうと思ったのです。
つづく
昨日の分は、こちら。
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20090309#p1
「かきつばたになった少女」は、
霧ケ峰高原の八島湿原に咲いている
かきつばたのお話。
ある日、女神のかきつばたは、霧ケ
峰高原へきすげの花をとりに行きま
した。
そして、ふもとの少年・山彦と出会
います。
さて、二人は・・・?
「かきつばたになった少女」は、みほ
ようこの四冊目の童話集「ライオン
めざめる」に、収録されています。
童話集「ライオンめざめる」は、
2006年10月、「鳥影社」
から発行されました。
童話集「ライオンめざめる」
http://www.geocities.jp/dowakan/douwasyuu4.html