かきつばたになった少女


  かきつばたになった少女7


とほうにくれたかきつばたは、沼
のほとりで、霧が晴れるのをじっ
と待ちました。



「おとうさま、ごめんなさい。
私はおとうさまとの約束をやぶり、
一人で霧ケ峰へきました。
病気のおばさまに、きすげの花を
プレゼントしようと思ったのです。



おとうさま、どうか霧が早く晴れ
るように、私をしっかり守ってく
ださいね」
かきつばたは、心の中でおとうさ
んにお願いしました。



どのくらいの時間が過ぎたのでし
ょうか。
かきつばたには、長い時間が過ぎ
たように感じました。


             つづく


    昨日の分は、こちら。


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20090311#p1




「かきつばたになった少女」は、
霧ケ峰高原の八島湿原に咲いている
かきつばたのお話。



ある日、女神のかきつばたは、霧ケ
峰高原へきすげの花をとりに行きま
した。
そして、ふもとの少年・山彦と出会
います。
さて、二人は・・・?



「かきつばたになった少女」は、みほ
ようこの四冊目の童話集「ライオン
めざめる」に、収録されています。



童話集「ライオンめざめる」は、
2006年10月、「鳥影社」
から発行されました。





    童話集「ライオンめざめる」


http://www.geocities.jp/dowakan/douwasyuu4.html