かきつばたになった少女9
「きみの名前は、なんていうの?」
「かきつばたといいます」
「えっ、かきつばた?」
少年は、驚いたような顔をしました。
「美しい少女だと評判の、あのかき
つばたさんなの?
おらは、かきつばたさんに会えるの
を、ずっと楽しみにしていたんだよ」
少年は、うれしそうにいいました。
「あなたの名前は、なんていうの?」
「おらの名前は、山彦」
「山彦?じゃあ、狩が上手で、足が
早いという、山彦さんなの?」
「そうだよ。おらがその山彦さ」
山彦は、大きくうなずきました。
つづく
昨日の分は、こちら。
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20090313#p1
「かきつばたになった少女」は、
霧ケ峰高原の八島湿原に咲いている
かきつばたのお話。
ある日、女神のかきつばたは、霧ケ
峰高原へきすげの花をとりに行きま
した。
そして、ふもとの少年・山彦と出会
います。
さて、二人は・・・?
「かきつばたになった少女」は、みほ
ようこの四冊目の童話集「ライオン
めざめる」に、収録されています。
童話集「ライオンめざめる」は、
2006年10月、「鳥影社」
から発行されました。
童話集「ライオンめざめる」
http://www.geocities.jp/dowakan/douwasyuu4.html