かきつばたになった少女11
「かきつばたさん、霧ケ峰へなにし
にきたの?」
「病気のおばさまに、きすげの花を
プレゼントしようと思って、花をつ
みにきたのよ」
「かきつばたさんって、やさしいん
だね」
「おばさまは病気なの。それにもう
長くは生きられないわ。
だから、おばさまの最後の願いを聞
いてあげたいと思って、だれにも行
き先をつけず、きすげの花をとりに
きたのよ」
「じゃあ、みんなが心配しているか
もしれないよ。
早く帰ったほうがいいよ」
「そうね、早く帰って、おばさまに
きすげの花をみてもらうわ」
「おばさまが一日も早く元気になる
と良いね」
山彦は、そういってはげましてくれ
ました。
つづく
昨日の分は、こちら。
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20090315#p1
「かきつばたになった少女」は、
霧ケ峰高原の八島湿原に咲いている
かきつばたのお話。
ある日、女神のかきつばたは、霧ケ
峰高原へきすげの花をとりに行きま
した。
そして、ふもとの少年・山彦と出会
います。
さて、二人は・・・?
「かきつばたになった少女」は、みほ
ようこの四冊目の童話集「ライオン
めざめる」に、収録されています。
童話集「ライオンめざめる」は、
2006年10月、「鳥影社」
から発行されました。
童話集「ライオンめざめる」
http://www.geocities.jp/dowakan/douwasyuu4.html