かきつばたになった少女


  かきつばたになった少女12


二人は心をひかれながらも、その
日は少し話をしただけで、別れま
した。



その日の夕方。
かきつばたからきすげの花をもら
ったおばさまは、とてもうれしそ
うでした。



「かきつばた、ありがとう。
きすげの花をみることができて、
うれしいわ。
もうなにもおもいのこすことはない」



「おばさま、今日ね、霧ケ峰で山彦
という少年に会ったわ」
「えっ、山彦に?」
おばさまは、驚いたような顔をしま
した。
「おばさまは、山彦さんのことを知
っているの?」


            つづく



    昨日の分は、こちら。


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20090316#p1




「かきつばたになった少女」は、
霧ケ峰高原の八島湿原に咲いている
かきつばたのお話。



ある日、女神のかきつばたは、霧ケ
峰高原へきすげの花をとりに行きま
した。
そして、ふもとの少年・山彦と出会
います。
さて、二人は・・・?



「かきつばたになった少女」は、みほ
ようこの四冊目の童話集「ライオン
めざめる」に、収録されています。



童話集「ライオンめざめる」は、
2006年10月、「鳥影社」
から発行されました。





    童話集「ライオンめざめる」


http://www.geocities.jp/dowakan/douwasyuu4.html