かきつばたになった少女


 かきつばたになった少女15


そんなある日。
「今日こそ、山彦さんに会えます
ように」
かきつばたは祈るような気持で、
山彦と初めて会った沼のほとりで、
山彦がやってくるのをじっと待っ
ていました。



すると・・・。
草原のむこうから、山彦が走って
くるではありませんか。
「やっと、山彦さんに会うことが
できた」
かきつばたは、どきどきしながら、
山彦が近づいてくるのを待ちました。



「山彦さん、こんにちは。今日こ
そ、山彦さんに会えるかなと思っ
て、朝からずっと待っていたのよ」
かきつばたは、はずかしそうにい
いました。


             つづく



     昨日の分は、こちら。


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20090319#p1




「かきつばたになった少女」は、
霧ケ峰高原の八島湿原に咲いている
かきつばたのお話。



ある日、女神のかきつばたは、霧ケ
峰高原へきすげの花をとりに行きま
した。
そして、ふもとの少年・山彦と出会
います。
さて、二人は・・・?



「かきつばたになった少女」は、みほ
ようこの四冊目の童話集「ライオン
めざめる」に、収録されています。



童話集「ライオンめざめる」は、
2006年10月、「鳥影社」
から発行されました。





    童話集「ライオンめざめる」


http://www.geocities.jp/dowakan/douwasyuu4.html