かきつばたになった少女


  かきつばたになった少女16


「おらも会いたかった。
でも、なかなか会えなかったね」
山彦も、かきつばたに会えてうれ
しそうでした。



「かきつばたさん、きみはほんと
うに美しいしね」
「私が美しいだなんて。
村に帰れば、みんな美しいかたば
かりですよ」



「かきつばたさんは、まぶしいく
らい美しい。
それに心のやさしい人だ。
おらは、かきつばたさんのような
美しい人を、今までみたことがない」



「そんな・・・」
「うそだと思うなら、その沼の水
面に、自分の顔をうつしてごらん」
かきつばたは水辺に行き、自分の
顔を水面にうつしました。
すると、水面にはかわいい顔がう
つっています。


             つづく



    昨日の分は、こちら。


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20090320#p1




「かきつばたになった少女」は、
霧ケ峰高原の八島湿原に咲いている
かきつばたのお話。



ある日、女神のかきつばたは、霧ケ
峰高原へきすげの花をとりに行きま
した。
そして、ふもとの少年・山彦と出会
います。
さて、二人は・・・?



「かきつばたになった少女」は、みほ
ようこの四冊目の童話集「ライオン
めざめる」に、収録されています。



童話集「ライオンめざめる」は、
2006年10月、「鳥影社」
から発行されました。





    童話集「ライオンめざめる」


http://www.geocities.jp/dowakan/douwasyuu4.html