かきつばたになった少女17
「あら、ほんとうにかわいい顔」
かきつばたは、うっとりしながら、
水面にうつった自分の顔をながめ
ていました。
ところが・・・。
そこへ「ぴゅぅー」と強い風がふ
いてきました。
鏡のように平らだった水面が、ざ
わざわと波立ちました。
そして、水面にうつったかきつば
たの顔も、たちまちみにくい顔に
変わってしまいました。
「さっきまで、あんなにかわいく
みえたのに・・・。
このみにくい顔は何?本当にこれ
が私の顔なの?」
かきつばたは、あまりのみにくさ
におどろき、その場にたちすくん
でしまいました。
つづく
昨日の分は、こちら。
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20090321#p1
「かきつばたになった少女」は、
霧ケ峰高原の八島湿原に咲いている
かきつばたのお話。
ある日、女神のかきつばたは、霧ケ
峰高原へきすげの花をとりに行きま
した。
そして、ふもとの少年・山彦と出会
います。
さて、二人は・・・?
「かきつばたになった少女」は、みほ
ようこの四冊目の童話集「ライオン
めざめる」に、収録されています。
童話集「ライオンめざめる」は、
2006年10月、「鳥影社」
から発行されました。
童話集「ライオンめざめる」
http://www.geocities.jp/dowakan/douwasyuu4.html