竜の姿をみた少女26
「奥さまも、しらかば湖へみえる
のですか」
「いや、妻はこの湖へはこない。
妻は、その後、この村へ一度もき
たことがない。
悲しい思い出のある村へは行きた
くないといって、一歩もよりつか
ないのじゃ。無理もないがのぅ。
つらい思いをしたのだから」
「そうそう、忘れるところだった。
妻に、かなのことを話したら、妻
が会いたいというのじゃ」
「奥さまが、私に?」
「そうじゃ。竜がいると信じてい
るかなに、どうしても会いたいら
しい。
さあ、かな。わしの背中へおのり。
妻が待っている諏訪湖へ行こう。
すぐもどってくるから、心配しな
くてもだいじょうぶだよ」
おじいさんは、そういいました。
つづく
昨日の分は、こちら
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初めて読んでくださったかたへ
竜の姿をみた少女1
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童話「竜の姿をみた少女」は、童話
「竜神になった三郎」の続編。
童話「竜神になった三郎」は、
みほようこの二冊目の童話集「竜神
になった三郎」に収録されています。
童話「竜神になった三郎」
http://www.geocities.jp/dowakan/saburou1.html
童話集「竜神になった三郎」の紹介
http://www.geocities.jp/dowakan/douwasyuu2.html
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