瑠璃寺の青獅子7
男は、滝にかかる虹をみた時、「な
んて美しい虹だろう」と思いました。
虹をみていると、汚れてしまった自
分の心が、きれいに洗われるような
気がしました。
粗末な小屋ができると、男は獅子頭
を彫るための木を探して歩きました。
生きているようにみえる獅子の頭を
彫るためには、どんな木でもいいと
いうわけにはいきません。
軽くて、丈夫で、しかも獅子が宿っ
ている木でなくてはなりません。
男は、あちこちの木地屋へ行き、桐
やイチョウ・栃・楠などの木をみせ
てもらいました。
でも、気にいった木はみつかりません。
つづく
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童話「瑠璃寺の青獅子」は、
信州高森町にある瑠璃寺に伝わっ
ている「青獅子」の話をヒントに
して、みほようこが書いたもの。
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