瑠璃寺の青獅子17
うす暗い小屋の中で、男の目だけ
が異様に光っています。
和尚は、男の変わりようにびっく
りしました。
声をかけることもできず、和尚は
小屋の外から男の様子をじっとみ
ています。
「獅子よ。やっと完成したぞ。
後は、何回かうるしをぬり、金箔
をはるだけじゃ。
そうそう、頭へ金髪もつけなくて
はいけないのぅ。
どれ、太陽の下で、おまえの顔を
じっくりみてみよう」
そういって、男は立ちあがろうと
しました。
しかし、なかなか立ちあがれません。
男は、体の具合でも悪いのでしょうか。
つづく
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童話「瑠璃寺の青獅子」は、
信州高森町にある瑠璃寺に伝わっ
ている「青獅子」の話をヒントに
して、みほようこが書いたもの。
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