瑠璃寺の青獅子24
ある日、わしは、桐の木にとじこ
められてしまったのじゃ。
今まで、わしのことを気づいてく
れた人は、誰もいなかった。
だから、わしは、あきらめておっ
たのじゃ。
でも、おまえが気づいてくれた。
どんなにうれしかったことか。
仏師よ、おまえはすばらしい仏師
じゃ。
わしは、おまえの志をついで、伊
那谷の人々をしっかり守っていこ
うと思う。
仏師よ、ほんとうにありがとう。
心安らかに眠っておくれ。
今度は、わしがおまえを守る番じゃ」
すると、滝つぼの水面に、男が彫っ
た獅子頭が、ぽんと浮いてきました。
青色の獅子頭でした。
和尚は、その獅子頭を持って、寺へ
帰りました。
そして、本堂へ獅子頭を供えました。
つづく
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童話「瑠璃寺の青獅子」は、
信州高森町にある瑠璃寺に伝わっ
ている「青獅子」の話をヒントに
して、みほようこが書いたもの。
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