竜神になった三郎


  竜神になった三郎18


どのくらいの時間がすぎたのでしょ
うか。
「気分はどうじゃ。気がついたかな」
その声で、三郎ははっと目がさめま
した。
三郎は、広い部屋の中で寝ていました。
そばには、長いひげのおじいさんが立
っていました。



「わしは地の国の神じゃ。本当にひど
い目にあったのぅ。
しかし、おまえはあんなひどい目にあ
っても、兄たちを少しもにくんでおらぬ。
なぜじゃ。なぜおまえは、兄たちをにく
まないのじゃ」
神様は、三郎にたずねました。



「私は幼い時から、太郎兄さんにも次
郎兄さんにも、かわいがってもらいま
した。
兄たちがなぜあんなひどいことをした
のか、私にはわかりません。



兄たちにつきおとされた時は、本当に
びっくりしました。
しかし・・・、私は兄たちをにくむ気
にはどうしてもなれません」
三郎はそう答えました。 


             つづく



    昨日の分は、こちら。


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20091223#p1



    初めて読んでくださったかたへ


    竜神になった三郎1


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20091207#p1



童話「竜神になった三郎」は、
みほようこの二冊目の童話集「竜神
になった三郎」に収録されています。






2004年4月、信州の諏訪大社
御柱祭」にあわせ、「鳥影社」か
ら発行されました。
信州諏訪の「風の神様」から聞いた話。



竜神になった三郎 風の神様からのおくりもの (2)

竜神になった三郎 風の神様からのおくりもの (2)




今回、「竜神になった三郎」の続編
として、みほようこの五冊目の童話
集「竜の姿をみた少女」が、鳥影社」
から発行されました。



竜の姿をみた少女 (風の神様からのおくりもの)

竜の姿をみた少女 (風の神様からのおくりもの)



http://www.bk1.jp/product/03220629



小学生のみなさんに、ぜひ読んでい
ただきたいと思います。