竜神になった三郎


   竜神になった三郎19


「おまえは本当に不思議な男じゃ
のぅ。
そうだ、おまえを地の国の王子に
してあげよう」



「えっ、私が地の国の王子ですっ
て?」
「そうじゃ。人を少しも疑うことを
知らないおまえを、この国の王子に
してあげよう。



じつはこの王様には、あとつぎがな
くて、困っていた所じゃ。
これからおまえはこの国でのんびり
と暮らすがよい」
そういうと、神様はどこかへ行って
しまいました。



「いやー、困ります。
私には妻がいます。妻は私の帰りを、
今か今かと待っています。
だから、私はどうしても家に帰らな
くてはなりません」
三郎は大声でさけびました。



しかし、神様は三郎のいうことなど
聞いてくれませんでした。
そして三郎は、いやおうなしに地の
国の王子にされてしまったのです。

 
          つづく



    昨日の分は、こちら。


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20091224#p1



    初めて読んでくださったかたへ


    竜神になった三郎1


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20091207#p1



童話「竜神になった三郎」は、
みほようこの二冊目の童話集「竜神
になった三郎」に収録されています。






2004年4月、信州の諏訪大社
御柱祭」にあわせ、「鳥影社」か
ら発行されました。
信州諏訪の「風の神様」から聞いた話。



竜神になった三郎 風の神様からのおくりもの (2)

竜神になった三郎 風の神様からのおくりもの (2)




今回、「竜神になった三郎」の続編
として、みほようこの五冊目の童話
集「竜の姿をみた少女」が、鳥影社」
から発行されました。

12月12日発行。



竜の姿をみた少女 (風の神様からのおくりもの)

竜の姿をみた少女 (風の神様からのおくりもの)



http://www.bk1.jp/product/03220629



小学生のみなさんに、ぜひ読んでい
ただきたいと思います。