鹿になった観音さま3
そこへ、甲賀三郎兼家が通りかか
りました。
三郎は、鹿狩りの名人。
毎日山へ行き、鹿やいのししなど
をとっています。
三郎の家は、村一番の金持ちでした。
「和尚さま。裏山で、タケルとチ
ハヤがほえているが、どうかした
のかね」
「三郎さ。ちょうどいい所へきて
くれた。
悪いが、裏山へ行って、タケルた
ちの様子をみてきてくれないか」
「タケルたちは、いつからほえて
いるのですか」
「十五分くらい前からかのぅ。
最初は、本堂の前でないておった。
その後、なにかを追いかけるように、
裏山へ走って行った。
三郎さ、裏山になにかいるのだろ
うか」
つづく
昨日の分は、こちら。
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